外国を見せてくれた「兼高かおる世界の旅」

1959年(昭和34年)から30年超にわたって放送された「兼高かおる世界の旅」。ニュース映像では政治・経済や紛争しか見たことがなかった外国(しかも米ソ冷戦の話題ばかり)、それに対して歴史・文化や生活の面を見せてくれた番組でした。

リアルタイムに観ていたとき、兼高さんはいわゆるレポーターさんで、撮影スタッフが何人も同行しているのだと思っていました。後から本やWebなどで知りましたが、現地に行ったのは兼高さんとカメラマンの二人だけだったようです。撮影交渉、撮影後の編集まで兼高さんがされていたと知り、驚きました。

現在は、BSのTBSチャンネルで再放送されています。

 

番組を見ていた頃は子供でしたし、外国旅行には全く興味がありませんでした。でも、見たことが無い土地の景色は、非常に興味深いものでした。また、芥川隆行さんとの会話が面白く、まるで漫才の掛け合いみたいになっていることもありました。家庭にビデオなどの録画装置がなかったので、放送時間になるとテレビにかじりついていましたね。

今も旅行番組、紀行番組はたくさん放送されていますが、自分の言葉で歴史や風俗なども語る、バランスよく構成されたものは少ないように思います。

 

そういえば、2017年に兼高かおるさんの本を2冊買っていました。
「わたくしたちの旅のかたち」(2017年 秀和システム刊)
「わたくしが旅から学んだこと」(2013年 小学館刊)

テレビを見ただけでは分からない、番組の舞台裏がたくさん書かれていました。外国を知ることで、自分を日本を見つめ直すことにもなったそうです。

 

そうそう、淡路ワールドパーク ONOKOROの施設として、「兼高かおる旅の資料館」があります。撮影フィルム編集の場面、現地で撮影した写真なども展示されているようです。機会があれば、行ってみようと思います。

 

 

観光目的で自由に外国に行くことができるようになった、いわゆる渡航の自由化は1964年(昭和39年)でした。まだ、ほんの50年ほどしか経っていません。日本人が外国に観光旅行をするのって、思いのほか最近のことだったんですね。

先日、兼高かおるさんが亡くなられたと報道がありました。今から思えば、「兼高かおる世界の旅」を見ていたことが、旅行に興味を持つ原点だったと感じます。

Updated: 2019年1月13日 — 6:54 PM