良い旅行者とは

ちょっと固い話しです。

最近、自分の住んでいる街でも、外国の人を見かけることが多くなりました。旅行で立ち寄った人、日本に住んで生活している人。2020年に東京オリンピックがありますし、これから日本を訪問する外国の方は増えると思います。

そして、自分も旅行で様々な場所に行きます。その時は、旅行者としての自分が、よその街や国を訪れています。

素晴らしい雰囲気の街、ぶらっと散歩するだけでもリラックスできる、また行きたくなる、住んでもいいと思う。そういう街を作っているのは、そこに住んでいる人たちです。それは、文化であったり、歴史であったり、習慣であったり、住民が決めた自主ルールであったり、または法律や条例であったり。

 

諺に「郷に入れば郷に従え」というものがあります。訪問した先では、その土地のルールに従うべきです。それは、その街を作ってきたルールだから。良い街を作ったのは、その土地のルール、そしてそれを守っている住人です。決して、旅行者ではありません。街を作ってきた人たちに、敬意を払う必要があると思います。

また、「旅の恥は掻き捨て」という言葉もあります。自分の街ではやらないような事を旅先ではやってしまう、そういうことです。自分の街ではないから、何をやってもいい?もう来ることは無いから、非常識なことをやってもいい?そんなことはないですよね。「羽を伸ばす」のは良いことだと思いますが、「ハメをはずす」のは良くないことです。

以前、会社の朝礼で「電話を取るとき、あなたは会社の顔である。」という話をしたことがあります。電話の向こうにいる方にとって、話しているあなたの肩書きは関係ありません。あなたが社長であろうと、部長であろうと、はたまた平社員や新入社員であろうと、そのときの会社の顔はあなたなのです。

外国に行ったとき、「日本人である自分」と接することで、相手には「日本人」の印象が残ります。横柄であったり、相手を尊重しない態度をとれば、それが日本人の印象になってしまいます。逆に、日本に来ている外国の方と接するとき、そのときの相手の印象が、その国のイメージとして残ります。

 

旅行者はお金を使って経済的な貢献をしますが、だからといって何をしても良いわけではないと思うのです。相手が喜んで受け入れてくれる、そういう旅行者になるべきです。そして、それは次の訪問者のためだけではなく、いつか再訪する自分のためでもあります。

Updated: 2015年10月31日 — 5:16 PM